春。





紅茶がなみなみと注がれたカップを片手に、青子は窓際で寝そべっていた。
お気に入りのクッションを抱えてのひなたぼっこ。
ぽかぽか陽気に、春の匂い。
窓から吹き込む風が髪を静かに揺らす。

気を抜くと寝入ってしまいそうで。



こんなにも暖かくてこんなにも平和で。
あとはアイツが居れば文句なしだな なんてそんな事を思っていたら。
机の上の携帯電話が短く振動してメールの着信を告げる。


もしかして なんて淡い期待。






そっと携帯を開くとそこには期待した通りの人物からのメール。
その内容に口元が綻ぶ。







君との距離がゼロになる瞬間。







END





短い。
雰囲気を感じていただければ幸いです。